干し柿
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山から里へ、木々の紅葉が下りてくる十一月。
山形県上山市では、
たくさんのだいだい色の、のれんが下がる。
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色鮮やかな、だいだい色の風景。
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蔵王からの風が吹いて
干し柿ができあがる。
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ここは上山市相生。
晴れ渡った青空の元、
干し柿づくりが行われている。
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これは、地元でしか
生産されていない紅柿。
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作業は手分けして、進められる。
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皮むきは機械を使って。
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しゅー。皮が空中を飛んでいく。
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その後は
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ひとつひとつ、ヘタをひもに通し、
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トラックで運ぶ。
「秋の陽は1週間」。
晩秋の天気がいい日は
1週間分の仕事が出来るという
意味だと教えてもらった。
みなさん、すごく働く。
![干し柿](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2021/05/00cda060c7a4e1cbc8871c3a06bc95f2-1540x1027.jpg)
蔵王連峰から吹き抜ける
冷たく乾いた風が、柿の甘みを凝縮させる。
紅柿の干し柿は、実に赤い色が残るのが特徴で、
雨が多いと、実が大きくなり、
夏の日照があれば、甘くなる。
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こうして出来上がる
晩秋の風物詩、柿のれん。
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干して2週間後、
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そのまま食べてもおいしいが、
干し柿は料理になっていた。
干し柿の天ぷら。
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くるみと柚子を巻き込んだ
干し柿巻き。
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干し柿の白和え。
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干し柿の天ぷら
クリームチーズを入れることで、切った断面が紅白に。お正月のデザートにもいい。
●材料(つくりやすい分量)
・干し柿 3個90g
・クリームチーズ 30g
(その他に天ぷらの材料)
●つくり方
1.干し柿のヘタを落とし、スプーンを使って種をくり抜く。種がなかったら、干し柿の中を広げる。
2.クリームチーズをスプーンでくり抜き、干し柿の中へ入れる。
3.天ぷらを揚げる要領で、衣をつける。
4.油で揚げる。衣に火が入ったらOK。干し柿が甘いので、焦げないように注意を。2つに割って盛り合わせるとキレイ。
干し柿巻き
干し柿を巻くのではなく、干し柿で巻くのがポイント。たくさん出来すぎた干し柿を、お菓子のようにしていただきます。おもてなし料理にもどうぞ。
⚫️材料(つくりやすい分量)
・干し柿 8個240g
・ゆず 適量
・くるみ 6g
⚫️つくり方
1.干し柿のヘタを落とし、切り開いて薄くのばす。
2.のり巻き用の巻きすの上に、サランラップを敷く。
その上に干し柿が均一の厚さになるように置き、麺棒で薄く(5㎜以下に)のばす。
(麺棒に干し柿がくっつくので)サランラップを敷いてから麺棒でのばす。
3.ゆずの皮をスライサーで削り、千切りする。くるみを適当な大きさに切る。
4.2の上に(海苔巻きの要領で)、ゆずとくるみを置き、巻きすで巻く。
5.巻きすを外し、サランラップの上から切る。
ポイント:
ゆずが多すぎると、ゆずの香りが勝ってしまうので、少量に。4のままサランラップに包んで冷凍・冷蔵保存が可能。
干し柿の白和え
水抜きした豆腐でつくる白和えを、楢下宿で製造されている粟野豆腐の「厚揚げ」を使ってつくる。
フードプロセッサーがなければ、すり鉢を使って。干し柿が入るので、和え衣には砂糖を使わない。
●材料(つくりやすい分量)
干し柿 2個60g
楢下厚揚げ 2枚110g(水抜きした豆腐で代用を)
春菊 50g
くるみ 大さじ2
ねりごま 小さじ1
薄口しょうゆ 大さじ1.5
みりん 大さじ1
⚫️つくり方
1.春菊をさっとゆでて、水にさらす。水分をきり、しょうゆ適量(材料外)をたらしてからしぼる。
2.干し柿を1.5㎝に切る。
3.楢下厚揚げの、油で揚げた部分を切り、とりのぞく。
4, フードプロセッサーに3、くるみ、ねりごま、薄口しょうゆ、みりんを入れて混ぜ、あえ衣をつくる。
フードプロセッサーでなく、すり鉢でもOK。
5.4のあえ衣に干し柿と春菊をあわせて、出来あがり。
ポイント:
1で取り除いた厚揚げは、白菜汁や味噌汁などに入れます。
教えてくれた人/佐藤道子さん
長井市生まれ、上山市在住。楢下宿のばあちゃんずクラブ代表。地元の旬の食材を使った季節の郷土料理グループとして活動している。拠点にしているのは旅籠だったという古民家「大黒屋」。茅葺屋根、囲炉裏をかこんで食事ができる。
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