あけびの肉詰め
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10月、山形県西置賜郡小国町、千賀子さんの畑。
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ナラの木に菌床(きんしょう)を打ったものを畑に埋めている。
9月~10月になると、ニョキニョキと舞茸が出てくる。
「今は熊が出るからなかなか山にも行けないべ」
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食べたとき、じょりじょりすると
気分が悪いから、舞茸は割ってよく洗う。
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あけびの時期もあとわずか。
今日はあけびと舞茸をふんだんに使って。
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あけびの肉詰め。
千賀子流は簡単なのに、
中身が飛び出ない。
あけびのほろっとした苦みが体にいい。
春先に食べる、あけびの新芽・萌え(もえ)も
身体にいい。
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中身を炒め、
水溶き片栗粉をからめるやり方は、
義理のお姉さんが教えてくた。
お姉さんはもっと硬くするそうだが
千賀子さんはふんわり、からめる。
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中身をあけびに詰めて
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切り口を横にし、フライパンに
ぎゅうぎゅうに詰める。
中火でじっくり蒸し焼き。
ぎゅうぎゅうにすると、あけびの口を糸で縛ったり、
ようじなどで閉じなくても焼ける。
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焼いてる間に、とりたて舞茸を使ったもう一品。
舞茸ぶかし。舞茸のおふかし。
![あけびの肉詰め](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2021/10/53C6480-1540x1027.jpg)
「おふかし」とは「おこわ」のこと。
しゃもじで押して、
ざくっとした
米粒の感じがしなかったら、炊き上がった証拠。
これがとっても大事。
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ボンっ
もち米を取り出し
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そのあと、具材の煮汁をぶって(混ぜて)
さらに蒸す。
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こちらは舞茸を使った醤油汁。
舞茸の出汁がたっぷり出てる。
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舞茸の味噌漬け。
味噌に麹、ザラメも入れて
味噌床を作ったもの。
舞茸、昆布、ミョウガ、にんじん、大根。
漬けたあと、大根やにんじんは味噌を洗っても
水っぽくならないけど、
昆布や舞茸は水っぽくなるので、
サラシや手拭いで袋をつくり、それに入れて味噌床に入れる。
そうすると洗わなくても食卓に出せる。
![あけびの肉詰め](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2021/10/53C6416-1540x1027.jpg)
あけびは片面焼けたらひっくり返し、さらにもう片面。
両面焼くだけで、中身も蒸れて火が通る。
少しぐらいこげてもok。
![あけびの肉詰め](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2021/10/53C6558-1540x1027.jpg)
あけびの肉詰めの完成。
肉厚なあけびと、肉、たまねぎが
一緒になると、なんておいしいんだろう。
あけびの苦さもやわらいで、子どももぱくぱく食べれる。
今日のメニューは舞茸ぶかし、舞茸の醤油汁、舞茸の味噌漬け、粕漬け、丸なすずけ、大根葉のしょっぱ煮、塩味のおから。
なんて豊かな食卓。
![あけびの肉詰め](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2021/10/53C6577-1540x1027.jpg)
米粒がつやつやピカピカ、もっちり。
小国ではおふかしに、くるみはつきものだそうで、
舞茸ぶかしには、くるみをかけてどうぞ。
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あけびの肉詰め
山形全域でつくられる郷土料理。あけびの姿焼き、油焼きともいう。あけびの中にかのか(すぎひらたけ)や舞茸などをはさんで、焼いたり炒めたりする。あけびの苦みが味噌やきのこ、油と相性がいい。
⚫️材料(4人分)
・あけび 8〜10個
・豚挽肉 170g
・たまねぎ 1個
・舞茸(他のキノコでも可) 1.5袋
・味噌 50g
・砂糖 60g
・片栗粉 大さじ2
・油(炒め用)
⚫️つくり方
1、あけびは中身を取り出して洗う。
2.玉ねぎを大きめに切る。舞茸を食べやすい大きさにほぐす。
3.挽肉、玉ねぎ、舞茸をフライパンに入れて、油を少し入れて炒める。
4.少ししんなりしてきたら砂糖、味噌を入れる。
5.火が通ったら水溶き片栗粉を入れて絡めて、中身(餡)が完成。
6.あけびの中に、5を入れる。
7.中身を詰めたあけびを、フライパンに並べる。フライパンにぎっしり詰めると煮崩れしない。蓋をして強火から中火で蒸し焼きにする。片面15分くらい。
8.片面焼けたらひっくり返す。中火にして焼く。もう片面は先ほどより短くてもOK。両面焼けたら完成。
舞茸ぶかし(舞茸おこわ)
粒感がしっかりしたおふかし。やわらかいのが好きなら、汁の量を増やしたり、あたため直すときに、水や酒をふってみて。
⚫️材料(10人分強)
・餅米 1升6合
・油揚げ 4枚
・舞茸(他のキノコでも可) 1.5袋
・にんじん 1本(小さめ)
・だし醤油 適量(味がしっかり付くぐらい)
⚫️つくり方
1.餅米を一晩水につける。
2.舞茸や油揚げを食べやすい大きさに切る。にんじんは千切り。
3.だし醤油で2の具材を、味がつくまで煮る。
4.3をザルに入れ、汁気を抜く。汁は捨てずに取っておく(後で使う)。
5.餅米に汁気をきった4の具を混ぜる。
6.蒸し器に濡らした蒸し布を敷いて、そこに5の餅米を入れ、平らにする。蒸し布で蓋をして、蒸し器の蓋もして、強火で30分蒸す。
7.30分位たったら、しゃもじでザクザクしたところがないか調べる
(生米が無いか確かめる)。
8.生米の部分がなかったら火を止めて、餅米を別の容器に蒸し布ごと取り出す。
9.蒸し布を外して、4で取っておいた具の煮汁をご飯茶碗2杯分振りかけて、よく混ぜる。(煮汁が茶碗2杯分より少なかったら水や醤油を足す)。よく混ぜたら蒸し器に戻して、再度蒸す。じっくり温める程度蒸して完成。再度、蒸すことで、ふわっとする。
※出来上がりが硬いと感じた場合は、煮汁を茶碗2杯半にしてみる。
⚫️教えてくれた人/須貝千賀子さん
小国町叶水在住。近くに基督教独立学園があり、近隣には宿泊や飲食ができる施設がないため、学園の関係者の滞在をサポートしてきた。山菜を使った料理はもちろん、天火(オーブン)でつくる洋菓子なども得意。
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