丸なす漬け
古くから、山形県の置賜地区で
栽培されている薄皮丸なす。
名前の通り、皮が薄く、味が入りやすいから、
一夜漬けで食べることができる。
しかも、パリッとした歯触りを残したまま、漬けることができる。
5㎝に、ならないくらいで収穫。
多くの家庭菜園でつくられ、
7月から8月の終わりまで収穫できる。
薄皮丸なすの漬け物は、
置賜の人たちのふるさとの味。
ふるさとを離れ、自分でもつくろうとしても、
なすが手に入らなくて、つくれなくなってしまうのだそうだ。
以前は漬け物用の重しや、
バネ式の漬け物機などで、漬けていたけれど、
今は専用の「つけ汁」を使った方法が
主流になっている。
山形県東置賜郡高畠町のタカ子さんの畑。
夫の勲さんが亡くなってからは、
一人でいろんな種類の野菜や花を育ててる。
たくさんつくって、
いろんな人にあげているんだって。
薄皮丸なすの収穫。
花もきれいな薄紫色。
なす漬けに使う、とうがらしも
タカ子さんの畑で栽培している。
なすの葉の上に、アマガエルたち。
日光浴? ミーティング中?
ぴょーん!
オクラの花も咲いていた。
収穫を終えて一服。
坊ちゃん南瓜のかんてんに、きゅうりの一夜漬け、
そして丸なす漬け、なしうりの三五八漬け(さごはちづけ)。
いつも沢山の手料理で、もてなしてくれる。
なしうりの三五八漬けは、
皮の下の部分がふっくら。
ほんのり甘い、夏の常備食。
麹を使わない、もち米漬けというのもある。
これは、もち米漬けの素。
こうやって、入れておくだけで、
おいしい漬け物に。
丸なす漬け。
タカ子さんは、辛いものが好きだから
青とうがらしを入れる。
ほんのり酸っぱくて、ピリカラ。
くせになる。
美しい青色。
こんなにきれいな、青になるんだな。
いつでもつくれるよう、漬け汁を準備。
いつでも、おすそわけできるよう
空きビンも準備。
丸なす漬け。
暑い夏、いっときの涼しい味。
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薄皮丸なすの漬け物
置賜地区で栽培されている、皮の薄い丸なすを使った一夜漬け。昨今は重石を使わず、専用の「つけ汁」をつくり置きして手軽につくる、この方法が喜ばれている。採りたての新鮮なすを使うのがおいしさの秘訣。
●材料(つくりやすい分量)
なす漬け用つけ汁
・水1升(1.8ℓ)
・塩160g
・砂糖280g~300g
・ミョウバン小さじ2~3
・なす
・青とうがらし(お好みで)
●つくり方
1.なす漬けのつけ汁の材料を、鍋で煮立たせてから、冷ます。
2.なすは洗ってヘタを取る。大きなものは半分に切る。
3.ビンなどになすを、びっしり入れる。1をたっぷり注ぎ入れる。好みで青とうがらしを加え、ビンのフタをする。
4.漬け汁があがってくるので、ビンには受け皿をし、常温でひと晩置く(気温が高くなると、なすが発酵するので冷蔵庫に入れる)。漬かるまで1日。大きなものなら1.5日くらい。
5.漬けあがったら冷蔵庫で保管する。なすが浮いてくると黒ずんでくるので、なすの上に重しなどをする。なすが発酵してくると、フタを開けるときに液が飛び出すことがあるので、注意して開ける。また漬け方が浅いとなすの中は生のような状態に。その場合は、もう少し漬け込む。2日以上漬け込むと塩辛くなるので、早めに食べきる。
教えてくれた人/安房タカ子さん
米沢市窪田生まれ、近くの高畠町山崎へ嫁ぎ、3世代8人分の食事をつくってきた。ビニールの網に入れたビー玉を重しにするのが、タカ子さんのこだわり。「このままあげたりすると、とても喜ばれる」。
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