かてごと帖

ウコギの切り和え

ウコギの切り和え

高く積もった雪が溶け、
山形県の南部、高畠町にも春がやってきた。
家の垣根のウコギが、色鮮やかに芽吹いている。

ウコギの切り和え

ウコギとはウコギ科の植物。
幹の部分にはトゲがある。
米沢藩九代藩主・上杉鷹山が、
ウコギを垣根にすることを奨励したとされ、
米沢地方ではその新芽を食用としてきた。

ウコギの切り和え

ここ安達さんのお宅でも、
何十年もウコギの垣根を育ててきた。
4月中旬くらいから初夏にかけ、
切り和えやおひたし、
天ぷらなど、さまざまなに料理に使っている。

ウコギの切り和え

ウコギの若芽。
トゲトゲがたくさんあって、
注意しないと手に刺さってしまう。
これだけ採るのだって、そう簡単じゃない。

 

ウコギの切り和え

根本の硬いところを取り除く。

ウコギの切り和え

ウコギの切り合いの材料。
お好みでゴマやクルミを加える家庭もあるけれど、
安達さんちはシンプルに、ウコギと味噌のみ。

ウコギの切り和え

ウコギをさっと茹でる。

ウコギの切り和え

味噌はアルミホイルに塗って、
魚焼きグリルに入れて焼き、焦げ目を付ける。

ウコギの切り和え

まな板の上に広げたウコギに、
焼けた味噌を合わせ、細かく刻む。

ウコギの切り和え

熱々のご飯と混ぜて

ウコギの切り和え

おにぎりに。
おにぎりなら、冷めてもおいしく食べれる。

 

ウコギの切り和え

少し苦みがあり、
味噌の焦げた感じが
アクセントになった置賜の春の味。

ウコギの切り和え

ウコギの垣根には昔の人の知恵が、
今も生きている。
それが続いているって、いいなぁ。

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ウコギの切り和え

新芽に独特の風味があるウコギを、焼き味噌とともに、包丁で切りながら和えたもの。江戸時代から続く、山形県置賜地方の食べ方。

 

⚫️材料(作りやすい分量)

・ウコギ(手に入らない場合は置賜地方のスーパーなどへ。春先は手に入りやすい) 200g
・味噌 大さじ1.5

⚫️つくり方

1.ウコギのかたい部分を取り除き、洗って30秒ほど茹でる。

2.さっと茹でてざるに取り、水で冷やす

3.ウコギのあら熱が取れたら水分を絞る。

4.味噌をアルミホイルに延ばして魚焼きグリルやオーブンなどで焦げ目をつける(魚焼きグリルで1分30秒くらい)。水分が飛べばOK。

5.おいしそうな焦げ目が付いたら、箸やスプーンですくい、まな板の上に広げたウコギに
のせる。

6.包丁でウコギと味噌を、一緒に細かく切る。切り合えはこれで出来上がり。

7.そのまま食べても美味しい。温かいご飯に混ぜ、おにぎりにしても良い。

 

教えてくれた人/安達春枝さん

上山市生まれ。結婚して高畠町へ。実家は農家で紅柿や野菜などを栽培していて、アケビの新芽などを山から採ってきて食べさせてもらったという。今は麹の調味料や、ヨーグルトなどを手づくりしながら、夫や息子のため日々、料理を行っている。

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