納豆あぶり餅
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/DSF2721a-1540x1155.jpg)
竹串に餅を刺し、囲炉裏(いろり)でじっくり焼く。
片面が焼けたら裏も焼く。
1時間ほど繰り返すと
焼き色がついて、ぷーっとふくれてきた。
それにふーふーと息をかけ、はふ、はふっと食べる。
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/DSF2725-1540x1155.jpg)
うまぁい。そして、この焼き色。
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/DSF2752b-1540x1155.jpg)
焼き立ての香ばしさは、まるで醤油煎餅。
なかはとろんとした餅。
こんな食べ方があったなんて。
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/DSF2733-1540x1155.jpg)
囲炉裏ってすごいな。
「家族においしく食べさせてたい」っていう
お母さんたちの知恵ってすごい。
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/DSF2688-1540x1155.jpg)
ここは山形県上山市。山にはまだ雪が残っている。
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/MG_9375-1540x1027.jpg)
旅籠だった大黒屋には
囲炉裏があり、納豆あぶり餅が食べられる。
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/MG_9423-1540x1027.jpg)
まず餅をついて
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/MG_9462-1540x1027.jpg)
納豆餅をつくる。
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/53C7632-1540x1027.jpg)
それを一晩寝かせる。
味よ、染み込んでおくれ。
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/53C7622-1540x1027.jpg)
特製の竹串には、竹の節を利用した「餅だまり」がある。
これが大事なポイント。
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/53C7665-1540x1027.jpg)
餅を手づくりの串に刺す。
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/DSF2816-1540x1155.jpg)
パチッパチッ
今度は静かなおいしそうな音。
納豆の大豆がすーっと、すべり落ちていく。
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/DSF2823-1540x1155.jpg)
焼けてきたら、さらに餅を火に近づける。
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/DSF2829-1540x1155.jpg)
いい匂い。
![納豆あぶり餅](https://kategoto.com/wp-content/uploads/2022/03/MG_9473-1540x1027.jpg)
かつて羽州街道の宿場町だった楢下。
江戸から入る場合は、宮城の七ヶ宿から金山峠を通って楢下宿に入り、上山へ。
金山峠は標高が低いことから、使いやすい経路だったため、
庄内藩や秋田佐竹藩など、日本側の十三の藩が楢下宿を利用した。
小規模な集落ながら、楢下は宿場町として栄えた。
今も街並みが残されている。
今も地域の中で醤油屋、豆腐屋、こんにゃく屋が営業しており、
それを使った豊かな食文化が守られている。
作り方を見る作り方を閉じる
納豆あぶり餅
囲炉裏でつくる納豆あぶり餅。ごちそうのなかった時代、甘い餅は人気があり、残ってしまいがちだったのが納豆餅。「それをいかにおいしく食べるか」とつくられたというレシピ。昔の人々は手間暇をいとわず、囲炉裏でじっくり焼くことで、うま味が詰まった冬の御馳走に仕上げた。
⚫️材料(串20本分)
・餅米 4合
・納豆 1パック(90g)
・ねぎ 適量
・醤油 70cc
・だし醤油 50cc
⚫️つくり方
1.餅米を一晩水につけ、水気を切る。電動餅つき機で餅をつく。
2.ねぎを刻む。
3.納豆と刻んだネギを混ぜる
4.3の納豆とねぎに、醤油とだし醤油を加え、よく混ぜる
5.餅ができたら、こぶしの半分くらいのサイズにちぎる。餅はひっぱるのはOKだけれど、継ぎ足しはしない(焼いている途中に、割れてしまうため)。餅を納豆醤油汁につける。餅はすべて同じくらいのサイズにして、納豆醤油汁にひたして、バットに並べる。(一人がちぎり、もう一人が並べると、サイズを揃えることができる)。
6.納豆醤油汁につけたまま、一晩置いて味を染み込ませる。
7.一晩置いて、硬くなった納豆餅を串にさす。
串には、餅が垂れてきた時のストッパーの役目となる、引っかかり(餅だまり)をつけると良い。
8.囲炉裏で(炭火で)、じっくり表と裏を1~2時間くらい焼く(焼き時間は周囲の気温によって変わる。気温が高ければもっと早く完成する)。焦げ目がついて、外側がパリッと硬くなったら完成。
教えてくれた人/佐藤道子さん
長井市生まれ、上山市在住。楢下宿のばあちゃんずクラブ代表。地元の旬の食材を使った季節の郷土料理グループとして活動している。拠点にしているのは旅籠だったという古民家「大黒屋」。囲炉裏が残っている。納豆あぶり餅を食べるには予約が必要。
作り方を見る作り方を閉じる