あけびの味噌炒め
夏とは違う風が吹いてきた。
季節は駆け足でやってくる。
ここ山形にも、秋がやってきた。
秋になると、おいしくなるもの。
何かの卵みたいでしょ?
これが、あけび。
大きさは10㎝くらい。
独特の苦みがある。
きれいな紫色。
一つひとつが個性的で、
いろんな、紫色をしている。
山形では主に、外側の皮の部分を食べる。
山から採ってきたり、
畑で栽培されたものが売られている。
山形以外の地域では、
中の甘い部分を食べる。
色のグラデーション。
実が熟すと、パックリと口が開く。
白いのが種の部分。
種のまわりの白くて甘いところを、
昔は子どもたちは、喜んで食べたそうだ。
(種は食べちゃダメ。吹き出して)
ちなみに、野生の猿も白い部分だけ食べて
皮の部分は捨てていくんだって。
皮も中身も食べられる、あけび。
蔓性(つるせい)の植物で、蔓の部分はしなやか。
あけび蔓を使って、昔から
かごなどの生活用品がつくられている。
これが、あけび蔓で編んだもの。
山形県西置賜郡小国町のkegoyaでは、
山から蔓を採ってきて作品にしている。
あけび蔓は、しなやかで丈夫。
だから、こんな作品もつくれる。
今の時期のあけび。
他の木に蔓をからめ、取り付いている。
9月ごろから実をつけ始める。
茶色だったり、紫色だったり、
つるつるやザラザラ、
いろんな実ができる。
今回はあけびを野菜の1つと考えた、
手軽なレシピ。
山のものを使った料理って、
難しいイメージがあるけど、
これはびっくりするほど簡単。
そしておいしい。
あけび料理の入門編。
あけびの味噌炒め。
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あけびの味噌炒め
あけびを湯通しすることで、驚くほどおいしく簡単にできる。あけび料理初心者におすすめ。味噌と油が、あけびの苦みと好相性。
●材料(つくりやすい分量)
・あけび 2個
・豚肉 50g
・舞茸 1/3パック
・しめじ 1/3パック
・くるみ 大さじ1
・オリーブオイル 大さじ1
(またはサラダオイル)
・白ごま すったもの適量
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・味噌 大さじ2
・砂糖 大さじ2
・酒 大さじ2
・しょうゆ 大さじ1
・水 大さじ1
●つくり方
1.あけびは半分に開き、中味を出して、ひと口大に切る。
2.1をさっと湯通しする。
3.舞茸・しめじは小房に分ける。豚肉は食べやすい大きさに切る。くるみは粗く刻む。
4.フライパンにオリーブオイルを熱し、豚肉を炒める。豚肉に8割ほど火が通ったら、アケビ・舞茸・しめじを加え、全体に油が回ったら、くるみとAの調味料を加えて炒める。
3.全体に味がなじんで水分が飛んだら、うつわに盛り付け、すった白ごまをふる。
教えてくれた人/菅野由子さん
上山市生まれ、山形市在住。家庭料理を中心としたアイディアいっぱいのレシピと、身近な食材を簡単にアレンジした、おうちおもてなし料理が幅広い年代から支持されている。料理教室マミーズキッチンYUKO主宰。
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