凍み大根(しみだいこん)
里にも山にも冬が来て、
しんしんと雪が降っている。
山の木々は雪をかぶっている。
晴れて気温の低い日、それは白く輝いている。
指先がかじかむように寒い。
今日の朝方はマイナス5℃!
あらゆるものが凍り、
太陽が顔を出すと、氷がとける。
「夜に凍り、昼にとける」を
何度も繰り返しておいしくなるもの。
凍み大根。雪の色とは違う、きれいな白だなぁ。
山形県の最上・村山・置賜などでつくられている。
気温がぐっと下がる大寒のころにつくると
「おいしくできる」と言われている。
つくり方は大根の皮をむいて、
タテ半分に切り
沸騰したお湯に入れ、ゆでる。
透きとおるまでゆでてから、水にとって冷ます。
冷めたら箸で穴を開け、紐を通し
軒下などにつるす。
それから数日、「凍る、とける」を繰り返し、
寒風にさらす。
半月くらいたち、
スポンジ状になったら室内に取り込んで、
完全に乾燥させる。
「氷点下になる日が半月以上あること」が
おいしくつくる条件らしい。
それと、保存するにあたって水分が残っていると、
カビが生える原因になってしまうので
しっかり乾燥させる。
保存していた凍み大根は煮物にする。
凍み大根の食感は独特で、
「凍る、とける」を繰り返すことによって、
食感が増すんだって。
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凍み大根の煮物
凍み大根は凍らせることで水分を抜いていく乾物。独特の風味と甘みがあり、主に煮物に調理する。凍結により大根の組織が変化し、味がしみ込んでおいしくなる。大きめに切って、身欠きにしんなどと煮込めば、もてなし料理になる。
⚫️材料
・凍み大根 3本
・板こんにゃく 半分
・油あげ 半分
・さつま揚げ(小) 3枚
・しょう油 大さじ6
・みりん 大さじ6
・水 適量
⚫️つくり方
1.沸騰したお湯の中に凍み大根を入れ、浮いてこないよう蓋をし、半日くらい、そのままにする(凍み大根を戻す)。
2.凍み大根の水分を軽く切る(ほどよく水分を残す)。凍み大根を1㎝くらいに切る。こんにゃくと油揚げ、さつま揚げは薄切りにする。
3.鍋に、凍み大根と焦げ付かない程度に、少量の水を入れて煮る。
4.しょう油とみりんを入れる。
5.こんにゃくを加えて、さらに煮る。
6.油揚げ、さつま揚げを加え、さらに煮る。味見をし、好みの味に整えたら完成。
教えてくれた人/渋谷のぶさん
寒河江市生まれ、山形市在住。山菜を使ったお惣菜や、おこわ、餅、笹巻きなどをつくって販売している。添加物をなるべく使わない、体に優しい味わいで農作物直売所で人気がある。
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