笹巻き その2
円すい形ですらりとしたカタチ。
山形県内ではあまり、
見たことのない、たけのこ巻き。
ここは鳥海山のふもと・湧き水の里。
美しい水の生まれる遊佐町。
ここで円すい形の、
美しい笹巻きづくりを教えてもらった。
山形県と秋田県の県境にまたがる鳥海山。
日本海からなだからにそびえ立つ
2,236mの秀峰は、
海からの強い風を受け、多量の雨や雪をもたらす。
それが地下に浸透し、
豊かな伏流水となって湧き出している。
6月に入ると笹の葉がぐんぐん成長する。
小さい葉や去年の葉はそのままにして
新しくて大きい笹の葉を採取する。
イグサは畳屋さんから分けてもらったもの。
表畳をつくる際に出る、切れ端なんだって。
それを水につけて戻し、
あらかじめ輪をつくっておく。
「さあ巻ぐが」
笹をクルッとカップ状にして、餅米を入れ
イグサで縛る。
ぎっずぐ(きつく)縛る。
遊佐の笹巻きのゆで時間は長め。
3時間ゆでる。
先生がつくってくれたものと
私がつくったものがあるんだけど、
いい感じに出来上がってる!
開けると、なかのもち米はつやつや。
もちもちで、餅に近い食感になっている。
笹の葉は抗菌作用もあり、2~4日は日持ちする。
食べるときには、きなこといっしょにどうぞ。
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笹巻き(たけのこ巻き)
先につくり置きするイグサの輪が特徴。1枚目の笹の葉の円すい形を、2枚目の笹が拡大していて、合理的につくられている。山形県内では遊佐町にだけ残っているようだ。
⚫️材料(50個分)
・もち米 1升(1.5kg)
・笹の葉(1個あたり2枚使用) 100枚
・イグサひも(スーパーで手に入ることも) 50本
食べるとき用
・きな粉 200g
・白砂糖 250g
・黒砂糖 150g
・塩 10g
⚫️つくり方
下準備
1、笹の葉を取っててきて、両端をカットする。その後洗う。乾燥笹の葉は、煮立ったお湯に重曹を少し入れ(小さじ1ぐらい)、10分位入れて湯戻しをし、水に入れて冷やす。その後乾いたタオルで丁寧に拭く。
2、イグサひもは水に入れて柔らかくし、根元部分(白い方)を6字型に結ぶ。(下に参照動画あり)
3、もち米はとぎ水がきれいになるまで洗い、一晩吸水させる。巻く30分前に水を切っておく。
巻き方
1.1枚の笹を巻いて円すい型にして先をとがらせる(もち米がもれないくらいに)。もう1枚の笹はその円すいを大きくするように重ねる。
2.もち米40gを入れ、口の開いている部分を、手前を折り、左右に折り、後ろから手前の順番で、しっかり押さえる。
3.イグサの輪を1のとがったところにひっかけ、輪の大きさを笹巻きに合わせる。
4.イグサは、先端を後ろへ回し、一文字になっている部分にくぐらせてから、笹巻きの肩部分に戻し、2本の下をくぐらせてから、結ぶ。
5.5個を1組にする。
煮方
大きめの鍋にお湯を沸騰させ、巻き終わった笹巻きを入れて弱火で3時間ぐらい煮る。その後火を止めて1時間ぐらいそのままにして、その後水に取り10分ぐらい冷やす(笹から米が離れやすくするため)。水をきって出来上がり。
ポイント
煮ると米が大きくなるので米を少なめに入れる。(1個につき、浸水後の餅米40gぐらいを入れる)
教えてくれた人/山家孝さん
遊佐町在住。米やそばを栽培。そばは製粉からそば打ちを行い食堂で提供している。生活協同クラブなどからの依頼で、真空パックにした笹巻きを提供。笹巻きづくりの講師も依頼されている。
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